目的
以前,USB-RSAQ2をWindows7および10の64ビット版で使用する方法を割としっかり目に調査したが,今回はUSB-RSAQ3(基板名:PCMX4191)をUSB-RSAQ5としてWindows10 64ビット版で使用する方法について記載する*1. こちらもUSB-RSAQ3のドライバーではWindows7ならびに10の64ビット版ではドライバーがうまく認識されずに使用することができない.EEPROMのピンを折って,Prolific純正のドライバーを当てる方法については本記事では記載しない(☞こちらの方法1または2参照).
疑問点および誤りがありましたら,お手数ですがコメント下さい.
結論
使えなくなる原因は,チップメーカーProlificのIC PL-2303Xが外付けされたI2C接続のEEPROMよりVID(ベンダーID)などの情報を読み出し,USBポートへのUSB-RSAQ3挿入時にそれらの情報でドライバーを当てるため.そのときに,USB-RSAQ3のためのPID(プロダクトID)がAAA2であり,それに該当するドライバーがWindows 10(64ビット)では
見つけられない.ただし,デバイスドライバーのプロパティではハードウェア IDとしては正しく,USB\VID_067B&PID_AAA2&REV_0001
と表示される.
USB-RSAQ2での4つの対応案のうち,方法4のピンを折らない方法での対策案を記載する. USB-RSAQ2とは若干基板のレイアウトが異なるが,EEPROMのICは同じ型番である.
この方法のメリットとデメリットは以下のとおり(USB-RSAQ2のときと一緒):
- メリット
- I-O DATAからドライバーをダウンロードしてくれば,誰でも使えるようになる(変な知識不要).
- Windows 10のアップデートによっていったん使えなくなってしまうことがない.
- "真の状態"でUSB-RSAQ3に近い状態で使用できる.
- デメリット
- EEPROM自体を書き換えられる環境が必要.
- ベンダーID(VID)とプロダクトID(PID)を無理矢理変更するのは,アリなのか?と心にとまる.
適用手順として,ROMライターCH341A MiniProgrammer(2021/08/23現在)とAsProgrammer(2021/08/23現在)を利用して書き換える手順を示す*2.
- USB-RSAQ3のIC1とCH341Aを接続する.
- PCにCH341Aを接続し,AsProgrammerを起動して接続をI2C,チップ名を_24C02にしてRead ICを実行する.デフォルトの状態では以下の値となっているはずである.
- この状態で,0x00000002~0x00000005番地を順番に,
BB
,04
,0E
,0A
にしてProgramm ICを実行する(必要に応じてその後にVerify ICも実行する). - I-O DataのUSB-RSAQ5シリーズ サポートソフトから最新のドライバー(2021/08/23時点ではVer.1.22)をダウンロードして,インストールする
その後,拡張ポート(USB-RSAQ5)
として認識される.